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4章 フィオナ 4節 ロチェスト内乱

 ああ、この子も犠牲になったのか。誰かを攻撃しなければ形も保てない騎士団に、利用されたのか。
「マリーとおっさんを狙ってた変態、逃がしちまったよ……」
飛び降りてきたリシタが、地面に転がる塊を見て口を噤む。
「アリスは私達に比べて弱かった。アユルンは危険で、騎士団の立ち入りも禁止されていた。」
「ちょっ、冗談だろフィオナ!これ、アリスなのか?救助に来た騎士団だろ!」
「騎士団の立ち入りは禁止されていた!なのに、未熟なアリスはアユルンに送られた。……いい加減、わかったでしょ。」
アリスは騎士団にとって邪魔になったのよ。絶句するリシタの横で、ベラが血の付いていない遺品を探していた。

4章 フィオナ
4節 ロチェスト内乱

 マリー、元気を出して。貴女は良くやったわ。アリスを逃がすために、村の入り口まで氷の通路を作っていたでしょう?ドウィンやハルクはアリスと仲が良かったから、ものすごくショックを受けているようだけれど……あまり関わりのなかった私からすれば、貴女の作った道を行かずに調査しようとしたアリス自身の責任だわ。……そんな実直すぎる子だから、アユルンに送られることになったのよ。
 そう……何かおかしいことには気付いていたのね。でも、まさか王国騎士団が口封じのために、騎士学校の生徒を殺すとは思わなかったでしょう?

 私が王国騎士を恨んでいるのは、内乱で両親が死んだからじゃないわ。二人は殺されたのよ。王国騎士に。
 巻き込まれたとか、間違えて斬ったとか、そんなんじゃなかった。私の両親と、私自身は、王国騎士の標的だったの。アリスと同じ理由でね。ロチェスト内乱は、元々私の口封じが目的だった。ただ、私を守ろうとしてくれた人がいっぱいいて、乱闘になっただけだった。

 今から話すこと、人に言っちゃ駄目よ。貴女も狙われることになるから。
 王国騎士団はね、昔秘密裏にある実験をしていたの……。貴女と同じような、魔族とのハーフの人間を作り出そうとしていたのよ。強いから。兵士にするつもりでね。そして、成功したの。恐ろしく強い、キメラの種族が生まれた。
 でも、そんなのバレたらまずいでしょ?騎士団は、そのキメラ達を一般人と同じように町に住ませたわ。私も最初は、お隣さんがキメラだなんて知らなかったもの。それを知ったのは、お隣さんの親子喧嘩がうちまで聞こえてきたときよ。
 お隣さんは三人家族で、お父さんとお母さんと娘だった。その娘が、まあ気が強くて……キメラのお父さんが、騎士団に駒のように扱われるのが気に入らなかったみたいよ。
 ご両親は気が弱くてね……。その娘と同じ考え方はできなかった。逆らえば殺される、キメラだから、って叫んでいたわ。私は家に帰って、騎士だった父に、キメラって何と聞いたの。キメラだから逆らえないなんて、戦場に送られるなんて、同じように生きているのにおかしいってね。父は忘れなさいとしか言わなかった。

 私は、キメラの子と仲が良かったのよ。どうしても何とかしてあげたかった。父より頼りになる人に言えばいいと思って、近所のおじさんに言ったのよ。ルダレックっていう、その頃から騎士学校に入れられてた幼なじみの父親で、ルダレックから死ぬほど怖いって聞いてたから。
 おじさんは彼が言うほど怖くなかったわ。にこにこしながら、それはいけない、きっと私の部下が職権乱用しているんだろう、きつく言っておくよと言ってくれたの。

 そしてその晩、私の家にそのおじさんが来て、両親を殺した。私にも剣を振り上げたけれど、それはお隣さんのお父さんが止めてくれた。他に住んでたキメラ達も、今戦わなくてどうする、どうせ死ぬなら戦う意味のある戦場で死んでやるって、次々騎士団に向かっていった。でも多勢に無勢だったのよ。

 わかったかしら?あら、話して良かったのかって?もういいの。私の名前が騎士団に知られた以上、時間の問題だもの……。アリスの仇は私が討つ。もうあの惨劇は起こさせない。
 忘れないで、マリー。騎士団は決して味方にはならないわ。私の両親を殺したあの男はもう死んだ。でも、息子のルダレックは、今騎士団の副司令官よ。そして今回の事件……ルダレックも、もう父親を怖がってた子供じゃないんだわ……
 ああ、この間のおじさんは大丈夫よ。あの人は、ロチェスト内乱の時に、私と友達をロチェストの外に逃がしてくれた人だから。あの時も同じように、私はおじさんを殺そうとしたんだけどね、同じように弓を渡されたの。それで思い出したわ。

 マリー、困ったことがあったらベラに言うのよ。私がした話は、ベラにもしてはいけないわ。あの子は私を追いかけてくるだろうから。
 寂しそうな顔しないで。いつかやらなきゃいけなかったの。騎士団幹部、過激派、奴らさえいなければ戦争は終わる。楽園なんて来なくたっていいわ。私が全部終わらせる。
 アリスが死んだ知らせは、おじさんがロチェストに伝えているはずよ。今しかない。騎士学校生徒会長が死んで、騎士団が混乱している今、やらなきゃ。

 マリー、貴女と過ごせて楽しかったわ。
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コメント

続き楽しみ@・”ェ)つバンバン
というか、いい所で毎回終わるのは仕様ですか囧rz

私はイラスト頑張るー⊂((・x・))⊃

次章予告

「なかなかに腕が立つと聴いた」
「ルダレック!?貴女私の話聞いてなかったの!?」

「まあまあ、落ち着け二人とも。その前にハロウィンだぞ。」

5章 ベラ
乞うご期待!

て感じです!

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