スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

総集編ブログの予告

2次創作小説『灰~カイ~』も、はや6章に突入しようとしております。
マリーちゃんが自分を受け入れ始めたところで、ついにサブキャラクター編スタート!
既にきな臭い王国騎士団ですが、どんどん闇が深くなります。
そしてさらに明らかになるマリーちゃんの過去。
ますます謎めいていくおじさんの正体。

そんな節目に合わせて、読みやすくレイアウトした総集編版ブログを作ろうかなあと思っています。
なんと(大したことないけど)挿絵付き!
今のところ1章3節の絵しか描けていませんが、お披露目です


1-3マリー

なんかいまいちなんですよね。頭がでかいのか。
もう少しなんというか神々しいというか鬼気迫る感じにしたかったんですが……
2章はマリーちゃんのハート持ってったイケメンリシタ君の予定なので、今度はもう少しうまく描けますように……
スポンサーサイト

5章 ベラ 3節 胸囲の格差社会

 別れ際、おじさんは言った。ルダレックには、死なない私は騎士団の戦力になる上、囮としても使えると言っておいたと。要らなくなれば殺してしまえばいいと言うと、ルダレックは殺し方を問うたそうだ。おじさんは正直に答えた。サキュバスを殺すのは精神的なダメージ、愛する人からの裏切りのみだ……だからおじさんが私を虜にして、いざという時に捨てればいい、と。
「それでお前を騎士学校に入学させることに同意した男だ……マリー、何があってもあの男と騎士団には気を許すな。奴らが、イヴィを殺した……。」
「ん?おじさん、さっき魔族に殺されたって言ってなかった?」
ふと浮かんだ疑問を口に出すと、おじさんは大きく目を見開いた。
 やめてよ、おじさんまで私のこと適当な扱いしてるとか。せめて、嘘なら吐き通してよ。

5章 ベラ
3節 胸囲の格差社会

 このままコレンに帰ったら、絶対にフィオナとベラに怒られる。リシタがその前に吊し上げられているだろう。さまよううちに思い出した。南瓜。アリスを殺され、おじさんにも嘘を吐かれて、もう最近あったこと色々忘れたい。ハロウィンが来るなら、良い機会だ。可愛い飾り付けをして、おいしいものを食べて忘れよう。

 オルテル領はそう遠くなかった。
『何か嫌な感じがする。』
『僕知ってるよ。戦争の後のにおいなの。』気分転換に来たのに、このムリンの答え。オルテル領の端の村は、今や物見櫓しかない。魔族に滅ぼされてしまったようだ。しかし、転がっている骨の中には人型でないものも……いや、人型でないものの方が多い。
「あーら、誰かと思えば可愛いサキュバスちゃんじゃないの。」
その骨の山の上、恐ろしく場違いな女性が立っていた。黒い革のはちきれそうな服が官能的だ。手には、巨大な鎌。頭には軍帽。どう見てもSMの女王様。
『うっわー!バインバインだ!マリーの三倍くらいある!!』
私の手がムリンを吹っ飛ばしても悪くないと思う。このエロ魔獣め、絶対オスだ。
「あーら、見る目のある子じゃないの。」
「何なんですか貴女。」
女性はウィンクした。
「私に会いに来たんでしょう?そのエンブレム、ヤックに貰ったのかしら?」
この女王様、おじさんが言っていた領主の妻らしい。踏まれたら血が出そうなヒールで骨を踏み砕きながら降りてきた女性は、私の頬を両手で包み、じーっと見てきた。
「流石、三人もの男に愛されるだけはあるわね。今生きてるのはマリーちゃんだったかしら?かわいいお顔ね。」
「貴女は?」
「シルヴィアよ。こんなところで話すのもあれだし、私のお部屋にいらっしゃい。」
シルヴィアさんが指を鳴らすと、あたりの景色は変わり、豪奢な寝室になった。

 シルヴィアさんはベッドに寝転がると、ムリンを抱き寄せた。そのまま、私にもベッドの上に来いと言う。靴を脱いであがると、私も抱き寄せられた。
「……何なんですかこれ」
「あーら、寂しそうな顔してたから、甘えたいかと思ったんだけど?」
嫌ではない。腹立たしいが胸も気持ちがいい。
「相談したいことがあるから来たんじゃなくて?」
「え、あー、南瓜ありますか?」
「南瓜?ああ、ハロウィンね。無いわよ、アユルンがあんな事になってしまったもの。」
「じゃあ帰ります」
「まあ待ちなさいよ。他にもあるでしょ、悩み事。」
見上げると、大きな目が優しく弧を描いていた。
「ヤックさんが、嘘吐いてきたんです。奥さんを人間に殺されたって。でも、ロセンリエンの迷宮で見たおじさんの記憶では、魔族が襲ってきてた。」
「あら、何もおかしいことないじゃない?魔族に襲わせるようにし向けたのが人間だったのよ。」
シルヴィアさんの手が、ゆっくりと髪の間を滑る。
「どういうことですか?」
「そのままよ。理由は知らないけど、騎士団はよく使う手だわ。魔族は敵である人間を躊躇いなく襲うでしょ?対して人間同士の殺しあいは捜査されるの、だから襲うようにし向ける。ヤックは、実際に本能的に手を下した魔族より、殺人教唆した人間を強く恨んだ。それだけよ。」
そういう話ではない。なぜ騎士団がそんなことをしたのかだ。
「それとも貴女、騎士団を信じてるの?」
「それだけはないです。」
首を傾げたシルヴィアさんに言う。
「わざわざ魔族に頼む必要なんてあるんですか?第一魔族は敵なのに、言うこと聞いてくれるはずがないでしょう。自分で殺した方が、尻尾捕まれる可能性も低いし……」
「貴女ね、自分をなんだと思ってるの?サキュバスを全うに倒せる奴が騎士団なんかにいるかしら?襲ったが最後、騎士団が全滅して終わりよ。」
「でも、イヴィさん達は死んだ……」
シルヴィアさんが目を伏せた。
「そりゃあ、魔族の一個大隊が子供一人抱えた夫婦に襲いかかってきたら話は別よ。」

 おじさん、クロスボウのヤック、そして今指名手配されているヤックは、皆シルヴィアさんのところへ来て、同じ話をしたという。王国騎士団が森に仕掛けた罠を見つけた。それらは魔族に、イヴィとともに暮らす家への獣道を通らせるような配置をされていた。そうでなければ、ロチェストへ続く道を通ったはずだった。と。
 つまり騎士団は、一人目のイヴィさんとおじさん、二人目のイヴィさんとヤック、私と指名手配犯の殺し屋ヤックが住んでいたあの家に、何度も魔族を差し向けたのだ。
「魔族からすれば、サキュバスとサキュバスのハーフを殺せることは、ロチェストに住んでるただの人間数千人を殺すことより価値があるのよ。……その分、部隊はほぼ全滅に追いやられたとしてもね。騎士団としては、ロチェストを襲われたら大損害。利害の一致よ。」
カロックが言っていた。サキュバスや、魔族とのハーフは最後の砦だと。でも、私達は、他の平和ボケした奴等のために生きてるわけじゃない!私だって、ずっとあの森で、あの優しい誰かと、あの指名手配犯と、一緒に暮らしたかった!
「騎士団に比べたら、おじさんの嘘なんて些細なものでしょう?許してあげなさい、嘘でもないんだから。」
「じゃあどうしておじさんは騎士団にいるの!」
「騎士団のダークサイドのトップは、今、あのおじさんの直ぐ側にいる……わかるでしょう?恐ろしい男よ、自分を信頼させて、依存させて、その後に斬り捨てる。心身共に、自分が味わった以上の苦しみを返そうとあそこにいるのよ。……ふふっ、流石はサキュバスの血が流れた男ね。」
シルヴィアさんは薄暗い目で笑った。
「おじさんが、ハーフ?」
「ええそうよ、ヤックは何の因果か、全員サキュバスのハーフだった。面白いことになるわ、生き残った三人のハーフに、騎士団が太刀打ちできるのかしら……早く見たいわ、騎士団と、法王庁が消えるところ。さぞ絶景でしょうね!」
 狂気の笑い声が部屋に響きわたる。ムリンはびくっと私に飛びついてきた。
「インケルスと私を引き裂いた罪、私は絶対に赦しはしない……楽しみだわ、アハハハハハハハ…」
シルヴィアさんの笑い声に思わず目を閉じる。再び目を開くと、そこは骨の山の上だった。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。